G20サミットで国際協調はどうなるのか
1. G20サミットがブラジルで閉幕。
2. トランプ氏への警戒感が広がる。
3. 中国の習近平主席が存在感を高める。
ブラジルで開催されたG20サミットが閉幕しました。今回のサミットでは、トランプ次期政権への警戒感が広がり、各国の協調の難しさが浮き彫りになりました。
特に、トランプ氏と会談したアルゼンチンのミレイ大統領が交渉の波乱要因となり、首脳宣言の取りまとめの際にいくつかの分野で承諾できないと離脱する場面もありました。トランプ氏の意を汲んだとの見方も出ています。
また、首脳宣言ではトランプ氏の再登板で懸念が高まる「保護主義」に関して、反対姿勢を明確にせず一定の配慮をした可能性があります。
今回、トランプ政権発足を前に存在感を高めたのが中国の習近平国家主席です。積極的なトップ外交を繰り広げ、グローバル・サウスの取り込みを狙ったほか、ヨーロッパ各国との首脳会談を行いました。西側諸国との関係を安定化させる狙いがあるとみられます。
今後、トランプ氏は個別の外交を優先するとみられ、G20のような多国間協議の地位低下が懸念されています。分断を避け、国際秩序を保つことができるのか、いよいよ正念場を迎えます。