HPVワクチンの過剰接種、なぜ防げなかったのか
1. HPVワクチンの過剰接種が12市区で発生。
2. 過剰接種の健康被害リスクは低いが防ぐべき。
3. 4回以上接種の副反応は重篤でないが、研究不足。
HPVワクチンの過剰接種が全国の少なくとも12市区で発生していることが判明しました。過剰接種は、接種済みの女性に不要な接種案内が郵送され、規定回数を超えてワクチンを打つことで起きています。
過剰接種による健康被害のリスクは極めて低いものの、専門家は「望ましいものではない」として防ぐよう求めています。特に、1997~2007年度生まれの女性を対象にした「キャッチアップ接種」が行われており、この過程で過剰接種が発生しています。
毎日新聞の調査によれば、東京23区や政令指定都市、全国の道府県庁所在地の主要74市区にアンケートや電話取材を行った結果、12市区が過剰接種があったと答えました。
琉球大大学院医学研究科の関根正幸教授によると、4回以上接種を受けた際の副反応を調べた研究は少なく、スウェーデンの研究では注射部位の痛みや腫れが少し高くなるものの、重篤な副反応は確認されていないとされています。
厚生労働省予防接種課も、4回以上接種の報告が複数上がっているとしつつ、具体的な副反応は把握していないとしています。