芸能界の契約問題、どこに向かうのか
1. 芸能界の契約は口頭が多く、不透明な契約が問題視されている。
2. 移籍や独立を妨害する事例があり、独禁法違反の可能性が指摘されている。
3. 公取委は調査結果をもとにガイドラインを策定予定。
公正取引委員会は、音楽・放送業界における契約やトラブルに関する初の実態調査を発表しました。調査によると、芸能人との契約が全て口頭で行われている事務所が約3割存在し、移籍や独立を妨害される事例が報告されています。これらの行為は独占禁止法に触れる可能性があるとされ、事務所側に注意喚起が行われました。
調査は、芸能事務所2628社を対象にアンケート形式で実施され、約3割の810社から回答を得ました。回答した事務所のうち、契約が全て口頭であるのは26%、一部口頭は16%でした。公取委は、これらの不透明な契約が芸能人に不利益を与える可能性があると指摘し、書面契約の必要性を訴えています。
また、契約満了時に事務所が一方的に契約を延長できる「期間延長請求権」を持つ事務所が約4分の1あり、実際に行使したのはそのうち10%でした。公取委は、これらの行為が優越的地位の乱用に当たる可能性があるとし、今後はガイドラインを策定する方針です。