理系人材不足にどう対応するか
1. 文部科学省が理系学部新設支援基金を200億円増額。
2. AI進展に伴う理系人材不足を懸念し、支援強化。
3. 支援上限額を倍増し、専門家会議で質向上を図る。
文部科学省は、大学の理系学部新設を支援するため、基金を200億円増額する方針を固めました。これにより、主に大都市圏の文系大規模私立大学での理系学部新設や文理融合教育を進めることを目指しています。
政府は、AIやロボットの進展に伴い、理系の知識を持つ人材の育成が追いつかないことに危機感を抱いており、2040年にはAI・ロボット活用を担う人材が約300万人、理系人材が約100万人以上不足する恐れがあると推計しています。
基金は2022年度に約3千億円が計上され、これまでに261件が支援対象となりました。2029年までに理系分野の入学定員は約2万2千人増加し、理系入学者の割合も35%から38%に上がる見込みです。
しかし、施設整備費や土地代が高いため、大都市圏の大規模私立大学での広がりは小さいです。そこで、支援上限額を1校あたり40億円に倍増し、教員確保を容易にするために専門家会議を設け、若手研究者と大学側のマッチングを促進し、計画の質向上を図る考えです。