能登豪雨で妻を失った夫の心の叫び

能登豪雨で妻を失った夫の心の叫び

※記事の画像はイメージです

なぜ田中松櫻さんは妻の制止を振り切って外出したのか
1. 田中松櫻さんは土砂崩れに巻き込まれ死亡。
2. 妻の制止を振り切って外出。
3. 最期のやりとりは「すまんな」「悪かったな」。

田中松櫻さん(81)は、輪島市の国道249号中屋トンネル周辺で発生した土砂崩れに巻き込まれ、死亡が確認されました。彼は雨脚が強まる中、妻の伊紗保さん(77)の制止を振り切って外出し、犠牲になりました。

伊紗保さんは「危ないから行ったらダメや」と引き留めましたが、田中さんは白いヘルメットをかぶって出て行きました。自宅は山沿いを縫う国道249号そばにあり、雨脚はどんどん強まりました。

伊紗保さんは家の中から土砂が崩れる様子を目撃しましたが、「お父さんはどこかで雨をやり過ごしていると思っていた」と語っています。昼すぎになっても帰ってこない田中さんを捜そうと家を出ると、すぐに見慣れたかっぱを着て倒れている男性を見つけました。

田中さんは土砂に巻き込まれて足にけがを負い、呼び掛けてもなかなか返事がありませんでした。最期のやりとりは「すまんな」「悪かったな」という言葉でした。田中さんは車庫に運び込まれて一夜を過ごし、翌日夕方にヘリで搬送されました。
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