能登地震発生、政府推計で死者40人に達する可能性。

能登地震発生、政府推計で死者40人に達する可能性。

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地震被害の推計はどこまで正確にできるのか
1. 能登半島地震で政府の推計死者数は40人だった。
2. 実際の死者数は推計を大幅に上回る約230人。
3. システムの精度向上を目指し、推計方法を見直す方針。

2024年1月に発生した能登半島地震では、政府の被害評価システムが発生直後に推計した死者数が40人とされていましたが、実際には災害関連死を含め約500人に上りました。この推計は首相官邸に共有され、災害対策本部の設置など初動の参考情報として活用されましたが、結果的に過小評価となりました。

内閣府は問題はなかったとしていますが、推計方法の見直しを進める方針です。地震被害早期評価システム(地震DIS)は、震度4以上の地震が観測されると自動的に起動し、1キロ四方ごとのデータから被害を推計しますが、年齢分布や季節などは考慮されていません。

能登半島地震では高齢化率の高い地域に被害が集中し、70代以上の死者が約6割を占めました。内閣府防災の担当者は、即時に推計を出すことが目的であるとしつつ、今回の地震の結果を踏まえてシステムの改修を図るとしています。

地震災害時の情報伝達に詳しい専門家は、システムの初動での役立ちを高めるために、高齢化率や季節といった要素も推計に考慮すべきと指摘しています。
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