日本の財政健全化は可能か
1. 2025年度の財政収支が赤字に転じた。
2. 野党の要求で歳出増圧力が強まる。
3. 財政健全化の道筋が見通せない。
2025年度の基礎的財政収支が黒字から赤字に転じた。自民・公明両党が少数与党となり、野党の要求を受け入れる必要があり、歳出増圧力が強まっている。特に、所得税の最低課税ラインの見直しによる税収減が影響している。
国民民主党は年収178万円への引き上げを主張し、日本維新の会は高校授業料無償化を求めている。与党は野党の協力を得るため、これらの要求に応じる可能性があり、財政収支はさらに悪化する恐れがある。
コロナ禍で膨張した歳出構造の平時化も課題であり、石破政権の支持率が低迷する中、ばらまき的な経済財政運営を求める声が強まる可能性がある。日本の名目GDPに対する債務残高比率は先進7カ国で最悪であり、日銀の政策転換で国債の利払い費増も見込まれる。
経済財政諮問会議では、25年度の赤字予想を受け、財政の信認を確保することが重要と指摘され、早期のPB黒字化を含む財政健全化への取り組みが求められている。