中小企業が初任給の大幅増に悩む、その背景とは?

中小企業が初任給の大幅増に悩む、その背景とは?

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中小企業は大企業並みの初任給を実現できるのか
1. 中小企業は大企業並みの初任給引き上げが困難。
2. 賃上げ原資の確保が難しく、価格転嫁率は49.7%。
3. 初任給引き上げは全社員の賃金引き上げを伴う。

中小企業が大企業並みの初任給を設定するのは難しい。2024年度の新卒社員の初任給は中小企業で21万8118円であり、大企業の30万円台には及ばない。賃上げ原資の確保が難しく、価格転嫁率は49.7%に留まっている。

日本商工会議所の小林健会頭は、初任給の引き上げが中小企業にとって大きなインパクトを持つと指摘する。初任給を引き上げると、全社員の賃金も引き上げる必要があるため、士気の低下を招く可能性がある。

人手不足が深刻であるため、若手人材を呼び込みたいが、賃金改善が進まない中で初任給の大幅増は難しい。大和総研の神田慶司シニアエコノミストは、25年度の初任給について中小企業も引き上げ率が前年度並みかそれを超えると予測するが、大企業との格差は拡大しやすいと述べている。
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