農林中金が1.4兆円の赤字を計上、巨額損失の背景とは?

農林中金が1.4兆円の赤字を計上、巨額損失の背景とは?

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農林中央金庫の巨額赤字、どう乗り越えるのか
1. 農林中央金庫は2024年4~12月期に1兆4145億円の赤字を計上。
2. 米欧国債の売却で損失が拡大し、過去最大の赤字見通し。
3. 資産売却と増資で資本増強を進め、26年3月期の黒字化を目指す。

農林中央金庫は2024年4~12月期に1兆4145億円の赤字を計上しました。これは前年同期の970億円の黒字から大幅に悪化した結果です。赤字の主な原因は、海外金利の上昇に伴う米欧国債の売却による損失の拡大です。

2025年3月期の通期赤字額は1.5兆~2兆円規模と見込まれており、リーマン・ショック時を上回る過去最大の赤字となる見通しです。農林中央金庫は資産売却と同時に資本増強を進めており、411億円の増資計画を発表しました。これにより、3月末までの増資規模は約1.4兆円に達する予定です。

2024年12月末までに米欧国債を中心に約12.8兆円の低利回り資産を売却し、債券の含み損を1兆5701億円に減少させました。農林中央金庫は2026年3月期の黒字化を目指し、低利回り資産の売却をさらに進める方針です。

巨額損失を受け、農林水産省は有識者会議を設置し、資産運用体制の検証を開始しました。報告書では、リスク管理体制の不備が指摘され、理事の増員や外部からの理事登用が提言されました。
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