アダムズ方式で1票の格差は解消されたのか
1. 福岡高裁は2024年衆院選の1票の格差を合憲と判断。
2. アダムズ方式導入で格差縮小、全国の高裁も合憲判断。
3. 弁護士グループは最高裁での統一判断を求め上告中。
2024年10月の衆院選における「1票の格差」が最大2.06倍であったことを巡り、弁護士グループが選挙の無効を求めた訴訟で、福岡高裁は合憲と判断し、請求を棄却しました。この判決により、全国で起こされた16件の高裁判決がすべて合憲となりました。弁護士グループはこの結果に不服として上告しており、最高裁が今後、統一判断を示す予定です。
過去には、1票の格差が2倍を超えた選挙に対して最高裁で「違憲状態」との判決が出されていましたが、国会は人口比を選挙区の定数に反映しやすくする「アダムズ方式」を導入することを決定しました。2021年の選挙ではアダムズ方式の導入が間に合わず、最大格差が2.08倍で実施されましたが、2023年1月の最高裁判決では、アダムズ方式の導入が決まっていることを理由に合憲と判断されました。
2024年の選挙では、アダムズ方式が実際に導入され、小選挙区の「10増10減」が実現し、格差は縮小しました。各地の高裁はこの点を評価し、合憲判断を下しました。弁護士グループは、アダムズ方式を導入しても2倍以上の最大格差が生じていることを問題視し、最高裁での統一判断を求めています。