バイオ燃料の導入で脱炭素化は進むのか
1. 経産省は2028年度からバイオ燃料を一部地域で導入。
2. 脱炭素化を目指し、混合燃料の比率を高める計画。
3. 安定調達とコスト低減が普及の課題。
経済産業省は、トウモロコシやサトウキビから作るバイオ燃料をガソリンに最大10%混ぜた混合燃料を、2028年度から一部地域で先行導入する方針を決定しました。これは、国内の二酸化炭素排出量の約2割を占める運輸部門の脱炭素化を促進するためです。
政府は昨年、2030年度にバイオ燃料を最大10%混ぜた燃料の供給を開始する目標を策定しており、国内で販売されている新車の約4割がこの混合燃料に対応しています。先行導入の目的は、安全性や品質維持、輸送体制などの課題を洗い出し、計画をスムーズに進めることです。
バイオ燃料の利用拡大には、混合比率をさらに高める必要があり、政府は自動車メーカーに2030年代初めに全ての新車を20%混合燃料に対応させるよう求めています。バイオ燃料は、燃焼時にCO2を排出しますが、原料の生育過程でCO2を吸収するため、実質的に脱炭素化に貢献するとされています。
日本はバイオ燃料をブラジルや米国から調達する方針ですが、普及には安定調達とコスト低減が課題です。