基礎年金の減少を防ぐための本格的な対策が始まります!

基礎年金の減少を防ぐための本格的な対策が始まります!

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基礎年金の底上げ策はどう進むのか

1. 厚生労働省が基礎年金の底上げ策を検討。
2. 基礎年金の減少が目立ち、対応が急務。
3. 財源確保が課題で、国の負担が増加見込み。


厚生労働省は公的年金の目減りを防ぐため、基礎年金(国民年金)の底上げ策を本格的に検討しています。特に厚生年金の積立金を活用する案が有力視されていますが、将来的に兆円単位での国の負担が必要となり、財源確保が大きな課題となっています。2024年の年金制度改革に向けて、年末までに議論をまとめる予定です。

公的年金の将来見通しによると、就業する人の数や賃金上昇のペースが鈍いと想定した「過去30年投影ケース」では、給付水準が現在よりも2割ほど減少する見込みです。特に基礎年金の減少が目立ち、対応が急務とされています。現役の手取り収入に対する年金の割合を示す「所得代替率」は、2024年度の36.2%から57年度には25.5%に下落する見通しです。

公的年金は、1階が基礎年金で2階が厚生年金という構造になっています。人口減少や長寿化に応じて給付を抑える「マクロ経済スライド」という仕組みがあり、これが基礎年金の目減りにもつながっています。そこで厚生労働省は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用する厚生年金の積立金の活用を検討しています。

しかし、基礎年金の半額は国の支出で賄う仕組みのため、巨額の財源確保が課題となります。基礎年金が引き上げられればその分、国の支出も増え、40年度に5千億円、50年度以降には1.8兆~2.6兆円になると見込まれています。政治的影響も大きく、厚生労働省も慎重に議論を進めています。
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